みかん

ダンケルクのみかんのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
4.0
ダンケルクの戦いについては恥ずかしながら知識が乏しく、観賞前に史実を確認してから挑みました。

第二次世界大戦中の1940年。
英仏連合軍はドイツ軍の攻勢に遭い、フランス北端の港町ダンケルクに追い詰められる。英国本土のイギリス軍は撤退作戦を遂行し、民間の船までも召集して、取り残された40万人もの兵士救出へ向かう。って話。

本作は、陸で撤退しながら疲弊する兵士達の1週間、海で救出に向かう民間船の1日、空で戦闘するスピットファイアの1時間という、時間の流れがズレている3つの視点を並行して描いているからすごく不思議な感覚になった。
それぞれの時間が交わってエンディングに向かう流れは、私はとても好きでした。
物語性はほとんど削ぎ落とし、台詞も極端に減らしているからこそ、一つ一つのシーンが際立っているなって思いました。
ほんとに、撃つ、逃げる、助けるってことしか描いていないのに、役者の怯えや遣る瀬無さ、演技が良いっていうより表情が良いなとか、不安を掻き立てるような音、海や空、スピットファイアのかっこいいビジュアルと飛行シーン、夕陽を背にした滑空から着地までの情景の美しさ、こういう要素で隅々まで楽しめる作品。
画面がグリーンがかってる色味もノスタルジックな雰囲気があって、そのグリーンがかった空を飛ぶスピットファイアは映像としてとても美しかった。

見る人によって好き嫌いがめっちゃ別れそうな作品でもあるなって思いました。

ノーラン監督の作品を立て続けに見ると、演出やディテールへのこだわりを優先させて、演出上のリアリティや矛盾点とかは潔く捨ててるなって感じがする。
本作も血なまぐささとかは全然ないし。
(実物志向の"存在している"っていうリアリティはもちろんある)
本作ではそこが良い意味で良かったし、私はとても好きでした!

ジャック・ロウデンは初めて見た俳優さんでしたがシンプルにかっこいい。
皆素敵な俳優さんばかりで良かった。
ジェームズ・ダーシーでてるの気づかなかったな。。。
トム・ハーディはラストが最高。
捕虜になってたけど。
てかノーラン作品への出演多いなー。

後でメイキングとかも見るつもりなので、また感想は追加するかもです。
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