YoTube Space クリストファー・ノーラン監督トークイベント先行試写会で鑑賞。
上映時間106分とは思えない濃厚さ。陸海空からの視点を切り替えながらのストーリー展開、そしてハンス・ジマーの音楽も相まって息つく間もなかった印象。特にBGMに常に入っている懐中時計のカチカチカチカチという音が観ている者の不安感を煽り、まるで自分がダンケルクの戦場にいるのではないかと錯覚させる。何が起こるか分からない戦場の不安感や焦りを感じさせる臨場感は圧巻。ずっと感じる不快感(いい意味で)は、実際に劇場で見てみないと分からないと思います。ゴーグルのいらないVRを作りたかったというノーラン監督のこだわりが感じられます。
そして、最初から最後まで独軍の兵士の姿が映らない。これは、見えない敵から迫られている恐怖を観客にも感じさせ、そして戦場で戦っている兵士達と同じ体験をしてもらいたいという想いが込められているそう。
まさしく、監督の狙い通りの効果が得られていると思います。また、実際に撤退戦が行われたダンケルクで、そしてCGに頼らずに爆発や戦艦、戦闘機まで本当に作っていることで現場に生まれるリアルさや緊張感が画面から伝わって来ます。
とても濃厚な時間でした。