とがり

ダンケルクのとがりのネタバレレビュー・内容・結末

ダンケルク(2017年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

IMAX字幕で鑑賞。
さすがにエキスポシティまでは行けませんね…

ダンケルクからの撤退作戦を英軍メインに圧倒的臨場感で描写した戦争映画。

陸と空からのドイツ軍の侵攻を何とか食い止めながら、ダンケルクの海岸で撤退のための駆逐艦を待つ者。
海軍に接収されるのを待たず、自家用クルーザーでドーバー海峡を渡り救出に向かう者。
救出を成功させるため、ドイツ軍の爆撃機を撃ち落としに向かう者。
海岸、海、空の3つの視点が、映画の進行とともに徐々に重なり出す構成・仕掛けにまんまとやられてしまった。

そして音が凄い。
最初の市街地での銃撃戦からもう死にそうになった。
あの場にいる錯覚を起こすような臨場感のもと、最初の銃声で自分は死んだ。
そしてドイツ軍に包囲され逃げられない地獄のような映像が次々と繰り出される中、あの銃器と爆撃、そして命を刻む時計の針のような音が本当に恐ろしい。
映像も、地面・水面ギリギリの界面映像が多用され、爆撃や海水が押し寄せる絶望感をひたすら煽る。

そしてストーリーはひたすら絶望と悲哀にまみれ、最後に一筋の希望と殉教のような高潔さを残して終わる。
死ななくていいやつまで死ぬ。
悲しいけどこれって戦争なのよね?
劇中ほとんど流血シーンなんて無いのに、なぜ彼が血を流して死なねばならぬのか。

まとまらないけど、まとめようもない。全カットを肌で感じて欲しい、そして打ちのめされてほしい、そんな映画でした。
とがり

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