キミシマユウキ

ダンケルクのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
4.2
第二次世界大戦初期の1940年。イギリス、ベルギー、カナダ、フランスから成る連合軍兵はダンケルク海岸でドイツ軍に包囲され、ダイナモ作戦による撤退を余儀なくされるが…

『ダークナイト』『インターステラー』の
!!クリストファー・ノーラン監督!!
による初の実話を基にした戦争映画。
ノーランの長編映画は全てコンプリートしているので0深夜時上映で鑑賞。
🎉🎉㊗2000本目レビュー㊗🎉🎉



We shall never surrender....


またまたやってくれましたノーラン監督。
戦争映画が題材と聞いた時は正直

「ノーランはSFとか観たいんだよなぁ」

なんてボソッと呟いてましたが、
これは戦争映画ではなかった。
・激しい銃撃戦はほとんどなく、
・敵の姿は劇中ほとんど出てこず、
・主人公側が勝利する作戦でもない、
ノーランによる実験映画とは上手いこと言ったもんだ。
これは陸・海・空の異なった時間軸を見事に同じ瞬間に切り取ったタイムサスペンス!!
ノーランは『インセプション』『インターステラー』に懲りず、また違った方法で時間を操ってくれたのだ!!
自分は鑑賞前に軽く今回の"ダイナモ作戦"がどんなものかをwiki等で調べてから挑んだが、今作はある意味何も知らずに見に行って劇中の兵士のように"体験"する映画なのかもしれない。
そのためかセリフは極力排除され、普段のノーランの台本の半分もなかったとか。
IMAXの巨大なスクリーンで逃げ惑う英兵達の恐怖が見事に映し出されていた。
もう脚本なんて気にするな!
(めっちゃ練られてるけど)
ハンスジマーとの音楽相性よすぎ!
撮影のホイテヴァンホイテマ凄すぎ!


配役も絶妙!!
〜陸〜
陸側は新兵のごとく無名俳優が多い!
主演のフィンホワイトヘッドも知らんけど、まさかワンダイレクションのハリーが出演してるとは思わず笑った。
『マイティソー』の監督で『オリエント急行殺人事件』でポワロ役を演じるケネス・ブラナーも責任感強い中佐の役で映画を固めていた。
個人的には『ダウントンアビー』のアンドリューが出てただけで眼福です。
〜海〜
海側は堅実な実力派で固める!
『ブリッジ・オブ・スパイ』でアカデミー助演男優賞を獲得したマークライランスは劇中1番喋ってた(笑)
そしてビビりまくりのキリアンマーフィが戦争の恐ろしさを伝える大事な役!クソだけど!
〜空〜
空側は完全に英雄を作り出した!
そう、我らがハリウッドスター!!!
トムハーディ!!!
なんだこの空軍パイロット!!
かっこよすぎだろ!!!!
もう言うことないよお前に関しては!!!

とまぁ興奮しまくりましたが、いつものノーラン作品のように考えをこねくり回して見るような作品ではなく

「敵だああぁぁぉ!!
逃げろぉおおおおお!!
ぎゃやあああああ!!!!
助けてえぇぇぇぇぇええええ!」

みたいな感じで手に汗握りながら観れるので本当に映画館じゃないと体感出来ないかと。
是非、IMAXで。
ちなみに僕は今週大阪遠征でエキスポシティの巨大スクリーンでもう1度見てきます(笑)




「故郷だ…」





ノーラン監督好き、逆に戦争映画が苦手な方、そして今回もノーランの時間の操り方に惚れ惚れしたい方にはオススメの作品