『ダークナイト』と『インターステラー』が、それぞれ年間ベスト級の傑作だったノーランの最新作ということで観賞。今回はダメだった!
時制が微妙にズレた3つの話を同時平行で描くんだけど、サスペンスや盛り上げどころまで同時平行だから、感情移入の対象がブレて楽しめず。必要以上に間延びした印象が強くなったこともイマイチ。
周辺情報や敵の描写を丸ごと落としたことは、テンポや緊張度を増すメリットがあることは理解できるけど、個人的には主人公達のピンチを機械仕掛けに感じさせるデメリットの方が強かった印象。
あと細かいところでは、ケネス・ブラナーのアップから話が進む展開には途中で飽きる。
他に自分でも驚いたのは、ハンス・ジマーの音楽もダメだったこと。映画に入り込めなかったからって理由もあるけど、終始鳴り続ける音楽に「そんなに盛り上げなくても・・・」って印象が強く残った。ハンス・ジマーの音楽が合わなかったのは、たぶん初めてだと思う。
空中戦の見せ方の巧さや映像の美しさとか、良いところもあったけど、全体的に策に溺れた感がある。
最後に余談。3つの話を同時並行で描く時点で、宣伝で唄った「体感する映画」とは少し違う気がした。確かに溺れるシーンとか息を止めそうになったけど、映画を通じて戦場を疑似体験するような感じはなかった。