USK

ダンケルクのUSKのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
4.8
映像や音響は勿論の事、アメリカ製ではなくヨーロッパ製の戦争映画から影響を受けたとも言えるマイナー路線の冷たい作風が素晴らしい。

研究に研究を重ねた演出が特に目立っており、敵(ドイツ軍)を一切映さない”見えない恐怖”を演出したサスペンス的な手法やパニック映画でよく用いられる集団心理など、息の詰まる演出が多数盛り込まれている。

しかし実話をベースにしている分、ノーラン映画ならではの驚きの展開は無いし、「ハクソーリッジ」「プライベートライアン」「ブラックホークダウン」といった、残痕な描写までしっかりと描いた秀逸な戦争映画とはまた一線を画した作風で、ノーランファンや戦争映画ファンの中には受入れられない方もいるでしょう。

撮影はいつも通りCGに頼らず、水中や空中が目の前にあるかのようなリアル世界観に重き置いている。今回は現実世界の出来事を今までのSF作品と同様に素晴らしい映像美や技術を使用しているため、死ぬ事への恐怖が身に染みて分かった。

マイベストクリストファー・ノーラン。

今までどれだけ甘く点数を付けてきたかが身に染みて分かったので、幾つか点数調整しました。
USK

USK