gyaro311

ダンケルクのgyaro311のレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
4.4
映像の世界に携わる者であれば
感服せざるを得ない作品。
一度、その世界に入ってしまえば
もう途中で逃げ出すことは出来ない。
ストーリーの登場人物と共に、
窮地から逃げ切るしかないのだ。

セリフによる状況説明はほぼ無い。
セリフ自体、ほとんど無い。
主観目線で進む逃亡劇と、
空からの援護射撃、
海からの救援。
三つのストーリーが並行的に進むことで
観客は置かれている状況を理解する。

ワイドかつ奥行きがある映像で
あっという間に戦場に引き込まれる。
CGに頼らず、見え過ぎない映像。
かつ、動いてる近くの映像と、
どロングで追わない映像を重ねる構築が、
非常にリアルで、
豪華とも言える世界観を醸し出す。

窒息しそうな切迫した映像に息苦しくなる。
戦場のノイズと相まった音効が、
少しも心を休ませてくれない。

臨場体験は観客に多くのことを理解させる。
戦場の残酷さ。
慈悲の価値。
自然の雄大さ。
そして、日常の美しさ。
客に帰還兵体験をさせてしまう、
それだけで価値がある、
凄まじい映画でした…
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