はま

ダンケルクのはまのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
5.0
【17/09/27追記】2回目の鑑賞でも色褪せるどころかもっと深みにはまる。マイベストムービー堂々ランクイン。こんな映画を生きてる間に映画館で観られた奇跡に感謝すらしている……

【17/10/01追記】3回目の鑑賞。ストーリーが難解すぎ、などの批判は全くもって耳に入りません。
セリフがないからこそ、彼らの行動の端々から読み取る人間性。だからこそ余計に、他の映画よりも沢山の描写があったと思います。
そしてこれは「戦争映画」ではなく「恐怖体験」「撤退映画」に徹している全く新しい映画…。
好きすぎて全てが完璧です。また観たい。

(17/10/27結局6回目がラスト。こんなに映画館に足を運ぶ映画にはこの先出会えないかもしれない。)

↑とかいいつつ追記で、再上映のたびに映画館行ってます✌️
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少しでも興味がある人はすぐに劇場へ行ってください。IMAXで(最重要)。

私、シネマサンシャインのIMAX上映の最初に入る映像が好きなんですよ。
「ジェットエンジンの大轟音も」のところで、お腹から\ゴゴゴゴゴゴ…/ってなる感じが。毎回鳥肌立っちゃう。

でも今まで観てきた映画は、そのお腹からくる音を体感することが少なかった。(それ以外に集中する部分が多いからっていうのもあるけど。)
それを、この映画は全部覆してきた。
初めて「映画を"体感"している」「映画の中にいる」「戦場にいる」と感じました。
心から恐ろしかった。「戦争映画」だった。

銃声、投下される爆弾の衝撃、戦闘機の飛空音、爆発音… 全てをその場で聴いている(感じている)。これは本当にすごかった。
IMAXの画角の広さは違いがすぐに分かるのでtwitter等でも拡散されていますが、音響のことを人に伝えるのは難しい… でも体感してほしい…!

この感覚の素晴らしさを最大限に生かすため、余計なものが一切なかったと思う。
ストーリーは簡潔な脱出作戦、方法も限られている。
普通の映画ならきっと、数人をメインキャラとして立て、彼らの過去を肉付け、脱出までのドラマを作るんだろう。

でもこの映画には主人公がいない。彼らのことが分かるセリフも全くない。誰の過去も気にしない。
だって、あの場にいたのは全員「兵士」だから。
なんなら一番すごいのは「敵兵の姿が一度も見えない」というところ。なのに恐怖を感じるのはひとえに演出の為せる技…。

あ、キリアンとトムハは特別ですよ☺️✨
しょうがないよね、監督のエースだもん。ノーランと言ったらキリアン。ノーランと言ったらトムハ。声だけの出演でもう1人いつものお方も。

ここだけは戦場というよりは「映画」って感じだったけど、それでも主演ではなくアンサンブルの1人という立場だったから、他の要素がいかに濃いかが分かる…。
トムハとキリアンひいき目な私でもそんなことすっかり忘れて戦場に立っていたんだから良い例です。
(※キリアンの青いお目目とトムハの特徴ある声、監督大好きだけど今回ばかりは我慢して封印した甲斐があったね…!)


IMAXじゃなくてもなるべく引き込むようにするためか、劇中の時系列が色々と複雑になっているのも印象的でした。
意外と語られてなところも多いので、特定のキャラに関して勘違いしたままの人も多そうだけど… その混沌さも含めて戦場。
全ては戦場での常。ノーラン恐ろしい。

BGMまで全てにリンクしていて、何もかもが「体感」の補助になっていました。
観ている私たちはただ身体を預けて戦場に立つだけだった………私は多分…冒頭で死んだ……イギリス兵です……。


「Blu-rayが出たらおうちで観る〜」とか思っちゃダメ。今しかできない体験をすべき。
ノーラン大好き。
はま

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