吉田ジャスティスカツヲ

ダンケルクの吉田ジャスティスカツヲのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
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今回、感想を上手く書けそうにありませんで【ダンケルクに関しては私のレビューを3段階に分けて記述させて頂きたいと思います】
1️⃣まだ未見の方に対して、率直な私の感想
2️⃣登場キャラクターの結末以外は喋ります。ホントに閲覧注意
3️⃣既にダンケルクをご覧頂いた方に対して申し上げます


1️⃣まずは結論。
お金を払って観て良かったと思いますが、私から周りの人に薦めることは無いと思いました。
鑑賞中、爆音と銃声に耳を攻撃され、凄まじい臨場感ゆえに感情移入しやすい人間ほど映画にエネルギーを吸い取られます。
加えて観客は【この映画のとある仕掛け】に気がつくと、その仕掛けに全身全霊で集中しなければならないのでまぁ心まで疲れますわw

敵のドイツ兵は一人も映らない。
主人公(名前もわかりません)はどんな目的でこの浜辺に来て、今はどうしたいのか?それ何の意味があるの?
彼の行動理由は終始、私には不透明に感じました。
しかし良く考えると【20世紀の戦争ってそんなものなのかもしれません】
当時、敵に対面しないで倒せる技術は沢山ありますし、兵士は当初はちゃんと目的がある部隊に配置されても作戦遂行できる英雄なぞ一握りなんでしょう、大半の人間は瞬く間に分断され独りぼっちに。
みんなここがどこかもわからないけれど【もう作戦とかどうでもいいからとにかく隠れたい。とにかく家に帰りたい】
大抵の兵士が考えることはそんなものなのでしょう。

ご鑑賞前の方、せめてフィルマークス運営さんのあらすじは必ずご一読くださいませ。
本編の説明の少なさからか、主人公サイドの目的すらわからないと本当に辛い思いをします。







2️⃣可哀想に、私と一緒にダンケルクを観たツレは言われた通りあらすじを読んだけれど、肝心の内容はチンプンカンプンだった。楽しめなかった。と言っていました。
そのツレが観たいと言ったから私が来てあげたのに、鑑賞後のファミレスでノーラン監督を弁護しながら内容を解説してあげなきゃでした。
それもコレも上記の【とある仕掛け】がそうさせたのかも。

映画の序盤に三度、こんな字幕が出ます。

防波堤:一週間
空:一時間
海:一日

この映画は三つのパーティの視点から一本の史実を見つめて【更にそれらの視点も時系列をも頻繁に入れ替えて描かれている】ので私のツレが混乱したのです。
クライマックスにてやっと【三視点が交差する一番盛り上がる場面があり、上記の字幕はソコからどれくらい手前のスタート時点なのか?を示す】表記だったのです。

その工夫により、時間の幅が全く異なる【三視点と私たち観客の平穏と緊張のリンクは完璧】でした。
本編106分のなか、およそ100分近く連続で鳴り続けるバイオリン🎻のキコキコ音BGM。
これはきっと主人公の心拍数を表しているのでしょう。
始まりぎわに注目ですし、それが鳴り止むタイミングも納得です。

(´-`).。oO(【500日のサマーという映画を戦争に変えて、更にカレンダー表記を取っ払った映画】って例えはどうですか?
もう訳わからん。

私のツレが感じたデメリットを消すために、ダンケルクの三視点全てを時系列順に並べて映画を構成すると想定してみましょうか…
すると観客の理解は今よりも得られますが【中だるみが大きくなって】緊張感薄れる映画になるでしょう。
加えて三視点のひとつ『空』部門に関しては登場時間の短さゆえに感情移入し辛くなるかもしれません。
たぶんこの構成で良かったのでしょう。







3️⃣一番活躍し、大勢から歓声を浴びたトムハーディ。
今や敵軍だらけになった浜辺に不時着し…
拘束され…


この後きっと捕虜にされ、輸血袋O型ハイオクにされると思います。