さすがにノーランの作品だけあって、映像の迫力に圧倒され、体に響いてくる銃撃音には恐怖すら覚えました。
ですが、海岸、船、戦闘機と様々な状況での危機を、時間軸を違えて(106分で)見せるので、人間ドラマとしては やけに薄いなというのが正直なところ。
これまで目にした大半の戦争映画は、冒頭に“つかみ”の戦闘シーンがあって。それから主人公がどんな思いで、何を背負って戦地にいるのかが語られ。クライマックスの戦火の中、主人公は生き残れるのかと。
映像にドキドキして、ドラマにハラハラするものが多かったと思うんですよ。
だからそれを思うと、どうしても感情を揺さぶられるところまではいかなかったなと。率直な感想であります。
無理やり結論付けるなら。
映像が示す通り戦争ってとことんシビアだけど。誰かが助かって、家族の元に帰って来られて良かったとか。そこに英雄がいただとか。そういった美談に昇華するものでもないのかなと。
そもそも無いにこしたことはないのかなと。戦争なんて。