ずるい。
この映画に、真の意味で突き刺さったのはイギリス人だけだと思ったから。
だって、極限の戦地に向かった勇気ある民間人たちの血が、彼らの中に脈々と流れているのだから。
ダンケルクでの出来事が、後の戦況にどう影響していったか、後世にどう語り継がれているか。おそらく小さい頃から聞かされてきたエピソードだからこそ、イギリス人たちの受け止め方はまったく次元が違うのだと思う。
奇しくも同時期に公開されている『関ヶ原』が、日本人にとってそうであるように。
振り返ってみれば、クリストファー・ノーラン監督含め、トム・ハーディもハリー・スタイルズも出演者みんなイギリス人であることに気づく。
僕たち日本人は、欧米圏で作られている映画をまとめて“ハリウッド映画”と捉えがちだけど、これはイギリス人による、イギリス人のための“イギリス映画”なんだなとつくづく思った。
