このレビューはネタバレを含みます
最高に好きな映画なのですが、
これはイギリス上げのプロパガンダ映画なのでは…なんて
思う気持ちも少しあったりするのです。
人様の考察とか解説とか見ると「なるほど」
とは思うのだけど、思い返すと
どうしてもイギリス軍かっこいー!イギリスかっこいー!
ドイツめー!となってしまい、
あれ…これってプロパ…という堂々巡り。
それ以外でも、もちろん胸を打つシーンはたくさんだし、
スピットファイアかっこいいし、民間の船がダンケルクに
命をかけて集まってくるところもかっこいいんだけど、
かっこよければかっこいいほどうーーんという気持ちになってしまい。
そんな私が一番好きなところは、謎の英国兵の一連のシーン。
この映画は海・空・陸から見た「その時」を各時間ごとに観せているので
、空なら1時間で終わるけれど、陸では何日もかかったりしているのです。
謎の英国兵は乗っていた船が沈んでしまうのだけど、
そのときは部下にテキパキと指示をしているんですよ。
でも、船に助けられたときは完全にPTSDになっている。
何があったのかは描かれません。
そのせいで、ひとりの少年を死なせてしまう。
でも、それを知らずに生きていく。
最後、陸地に降り立った際にふっと消えてしまう
謎の英国兵。
なぜか私の心に一番残っています。
戦争の英雄ではない、名前もない兵士。
そんな彼の存在が、この映画をプロパガンダ映画と
言い切れない、切ってはいけない作品にしているのかなと
感じます。