arakimaki

ダンケルクのarakimakiのネタバレレビュー・内容・結末

ダンケルク(2017年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

最高に好きな映画なのですが、
これはイギリス上げのプロパガンダ映画なのでは…なんて
思う気持ちも少しあったりするのです。

人様の考察とか解説とか見ると「なるほど」
とは思うのだけど、思い返すと
どうしてもイギリス軍かっこいー!イギリスかっこいー!
ドイツめー!となってしまい、
あれ…これってプロパ…という堂々巡り。

それ以外でも、もちろん胸を打つシーンはたくさんだし、
スピットファイアかっこいいし、民間の船がダンケルクに
命をかけて集まってくるところもかっこいいんだけど、
かっこよければかっこいいほどうーーんという気持ちになってしまい。

そんな私が一番好きなところは、謎の英国兵の一連のシーン。
この映画は海・空・陸から見た「その時」を各時間ごとに観せているので
、空なら1時間で終わるけれど、陸では何日もかかったりしているのです。

謎の英国兵は乗っていた船が沈んでしまうのだけど、
そのときは部下にテキパキと指示をしているんですよ。
でも、船に助けられたときは完全にPTSDになっている。
何があったのかは描かれません。
そのせいで、ひとりの少年を死なせてしまう。
でも、それを知らずに生きていく。
最後、陸地に降り立った際にふっと消えてしまう
謎の英国兵。
なぜか私の心に一番残っています。

戦争の英雄ではない、名前もない兵士。
そんな彼の存在が、この映画をプロパガンダ映画と
言い切れない、切ってはいけない作品にしているのかなと
感じます。
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