J四郎

ダンケルクのJ四郎のレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
3.8
クリストファー・ノーランの戦争映画。
第二次大戦のダンケルク撤退戦っちゅうマニアックな題材を描いたもので、この映画で触れるまでそんなもんがあったんやな~?くらいで名前くらいしか知らなかった。多分、僕だけじゃなく大部分の日本人には馴染みのない舞台だろう。

その撤退戦を陸・海・空の三つの視点で描いていて、さらに時間軸も前後させて立体的構造になっとる。そこは途中で気付いたけどアレ?ってなった。
まあ、同監督作の「メメント」に比べりゃ全然わかりやすいが。

この映画、実に評価に困る代物ですねぇ。あのノーラン作!という事で期待して観ると物足りなさを感じる人も多いんちゃうかな?
人物描写を(おそらくあえてだろう)極力薄味に仕上げているし、お話自体も実に淡々と進む。
ただ臨場感っちゅうか、戦場に投げ込まれた緊迫感は後半にいくにつれ高まっていて、息苦しさを感じるくらいになってくる。

しかし何より音響効果が素晴らしいの一言に尽きると思う。それがストーリーも登場人物の心情も語ってるようで、試しに音を消して観ると全くの別物で平凡に思えた。なのでこれから観るなら出来る限りいい環境でお聴き頂きたいですね。視聴環境で印象がえっらい変わってくる。これこそ劇場で観るべきやったな。

一応、映画的な見せ場もあるにはあるけど、ストレートなエンターテイメント作品じゃないな。流石に映画そのものの出来は良いが、人によってクソつまらん!となってもおかしくない。
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