森大翔

ダンケルクの森大翔のネタバレレビュー・内容・結末

ダンケルク(2017年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

『Dunkirk』
180620
by Netflix (division)
315作目(洋画:200作目)

ダイナモ作戦におけるダンケルクという土地を過度な脚色なく、編集と音響から表現した作品であり、やはりその点をオスカーは評価したのだろう。
しかし『Inception』、『Transcendence』、『Interstellar』などを手がけたChristopher Nolan監督らしくないとは感じた。というのも映画にドラマをあまり含めていない。というよりもドラマの配分に違和感を感じた。救出にやってきた民間船内でチラッとダンケルクの救出に向かう希望を持つ側と今すぐにでも逃げたい絶望を感じてる側の人間同士の言い争いによって死者を1人出した点においてだ。それならばより浜辺でのドラマやダイナモ作戦の経緯における本土でのドラマがあってもよいと思う。(本人は気が付いていなかったが、)1人殺めてしまうほどの絶望だったことを表現したかったのであれば持ち前の編集などに期待したかった。というわけで完全な映像表現に徹するわけでもなく、ドラマによる脚色をするわけでもない中途半端な面はあった。しかし、やはり映像表現に関しての文句は微塵もない。正直、救出された30万人の割に映像に出る軍人は少なく感じるがそれも7割の大型船での救出を省いているということだろう。
もう1点残念なことは視点がほとんどイギリス軍に限られていた点だ。むしろ故郷から追いやられるフランス軍の方が言いたいことがあるのじゃないだろうか。この映画はフランス人に堂々とは見せられない仕上がりになってしまっているかもしれない。
映像表現以外にも評価したいポイントがある。「陸」、「海」、「空」の3視点での「1週間」、「1日」、「1時間」の表現だ。もちろん表現手法としての関心もあるが、「空」での功績を取り上げたポイントは高い評価に値する。後にWinston Churchill がイギリスのRoyal Air Force を評価したように、駆り出された民間船以外での舞台上に実在した英雄を史実を描いたことはとても印象深い。
キャストに関して言えば割と各視点における主人公は、このレベルの映画にしては経験が少なめの演者が多かったが、セリフが少なく、やはり情景表現を強調しているという点においても過度に意識させすぎないというラインで良かったと思う。

評価3.6/5
目立ったマイナスはない映画で3以上
映像表現のクォリティー、3つの視点による表現、空軍の史実により+0.6
(ドラマの部分における解消、明確化があれば4以上)