いしおさん

ダンケルクのいしおさんのネタバレレビュー・内容・結末

ダンケルク(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

戦争肯定ではなく、生存肯定の映画だと思った。メッセージがそこにあるので、はっきり主人公が誰ということもなく生きようと祖国に帰ろうとする人達を描いているんだなと

船が溺れかけている時、「生きるために穴を塞ぐ」陸軍兵士と「生きるために穴を開ける」パイロットの対比とか、広い空を飛び回るパイロットにとっての死が「閉じ込められる」で、何度も水を貴重に飲んでいるシーンがある陸軍兵士にとっての死が「水に溺れる」で、戦う身分ではない民間人の死が暴力によるものなのも死というものの裏切りというか、予測不可能さというか、皮肉のような…意図的かな?考えすぎか…

とか、細かなところに映画としての拘りがあったと思う

唯一英雄視されて最後に敵機を撃ち落としたパイロットが敵軍に捕まって、反対に逃げて「帰ってきただけだ」という兵士達が助かっていて、それでも、英雄も帰還兵も両者とも肯定しているから、この映画のメッセージは戦争肯定とかさらには戦争批判でもなくて、生きていることの尊さなんじゃないかと思った。よい映画です。
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