マ帆

ダンケルクのマ帆のレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
4.0
1.陸ー1週間
2.海ー1日
3.空ー1時間

1940年、史上最大の撤退作戦と呼ばれた"ダンケルクの戦い"を生きた三つの地点、一定の時間を同時進行で描く物語。

以下、映像も音も勿論すごいけど、生々しい"生"が一番印象的ですよね、という話をダラダラと✍🏻

ダンケルクが初めてのひとり映画館だったのでその日の朝からのワクワク感も思い出深いのだけど、それよりもハンスジマーの音から重厚感を、映像から臨場感を、衝撃と共に体で学んだ事の方が鮮明に記憶されている。携帯の小さな画面で観てもすごい(チャンネル争いという名の家庭内戦争に負けまた)。空パートは体が勝手に傾く。

まさに嵐の前の静けさ。遠くに銃音が鳴り響く市街地で、を切らしながら全力疾走する主人公を正面から捉え続ける映像に、ああ今私ノーランの映画を観てる、、、!と、何というか、本能が直感するからすごい。

でも話が進むにつれて心に残ってくのはやっぱり"死"が日常茶飯事の世界で描かれる"生"への執着とか、自らの生をおざなりにしてでも救いたい他人の"生"とか。そこに老若は問わないんだよな、かっこいい、、。

「ダンケルクの陸海空、どれが好き?」という話になったら日が暮れるまで語れる自信がある。どのパートもアツいけど私は僅差で海パートが好き。あのしばらく溜めた後の"Good."にすごくドラマがあるし、心締め付けられるし、もう、、。

この前潜水艦・戦車・戦闘機映画沼でオタクやってる方と話した時に"もちろん装甲とかも良いんだけど、背後をとられて撃墜=即死と分かっていながらも、鉄の棺桶に男達が乗り込み、運命を共にする、せざるを得ない、というシチュエーション、もうこれだけで泣けるじゃん!?"と熱く語られたのを思い出して今回は何かちょっと泣いてしまった(悔しい)。

"何が見えます?"
"故国だ"
マ帆

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