けんぼー

ダンケルクのけんぼーのレビュー・感想・評価

ダンケルク(2017年製作の映画)
3.7
2020年鑑賞128本目。
またまたノーランの時間遊びが始まる。歴史に疎いと結構きついかも。

「TENET」公開に向けたノーラン作品の復習。
戦時中のフランス・ダンケルクで起きた史実を、陸での1週間、海での1日、空での1時間を一つの作品内で描いた、新たなノーランの時間遊び。
「フォロウイング」の時系列シャッフルに始まり、「メメント」の時系列逆行、「インセプション」の夢の深度に比例する体感時間の違い、「インターステラー」の相対性理論的時間の速度の違い、そして「ダンケルク」の異なる時間の収束。本当にノーランは「時間」を扱うのが好きなんだなあ。
アイデアとしては面白いし、終盤になるにつれて1週間と1日と1時間の中の出来事が同じ結末に収束していく感じは斬新なのだが、ダンケルクの歴史を知らない人は劇中で起こっている状況がつかみづらい。特に日本人はあまりなじみがない出来事なので、予備知識を入れておいた方が楽しめると思う。僕自身作品の中に入り込めない感じがあった。置いてけぼり感。
空での「1時間」は体感的にも1時間って感じだったけど、陸の1週間とか海の1日はそれぞれ1週間っぽさや1日っぽさがあまり感じられなかった。特に陸は1週間経ったの?って感じ。
航空機や船などを本物を使って撮影するノーランの本物志向はこの作品に合っているし、キリアン・マーフィ、トム・ハーディなどのノーラン組の演技もさすがでした。常連のマイケル・ケインが声だけの出演で全然気づかなかった。
これでノーラン作品すべて復習したので、あとは「TENET」を待つのみ!
2020/9/10観賞