小一郎

ふたりの死刑囚の小一郎のレビュー・感想・評価

ふたりの死刑囚(2015年製作の映画)
4.0
2つのことに戦慄した。

ひつとは何十年も獄中にいて、いつくるかわからない死刑執行を待つ身とはどういうものか、自分を保つためにどうなるか、ということ。それは自分の想像を超える。

もう一つは、人を裁くという行為が、他の仕事と同じく、できるだけ時間をかけずに、効率良く行われるように仕向けられていること。

裁判は長い時間をかけてでも真実を追求し、明らかにするところではない。仕事としての効率性や関係者のメンツなどを考慮しながら行われる手続きなのだ。

再審開始に時間がかかるのは、真実を追求するからではない。全くその反対で真実を追求したくないからだ。

だからといって、すぐに何か行動を起こそうという気持ちになるようなナイーヴさのない自分がいる。証拠の捏造などルール違反は絶対ダメだけど、時間の制約に妥協する姿勢に一定の理解を抱いてしまう自分がいる。

ただ、どんなにルールを整備しても逸脱する人は必ずでてくる。その結果、不条理を運命として受け入れざるを得ない人が出てきてしまう。ヨブ記のような不条理の物語がいくつもできるのは必然なのかもしれない。

どうすれば良いのか? 死刑囚個人の真実の究明はもちろん重要だけど、人の命は限りがある。可能な限り、短い時間で真実を明らかにできる仕組みづくりはそれと同じくらい重要で、そうした取り組みについて(多分やっていると思うから)知りたくなった。