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少女のbutasuのレビュー・感想・評価

少女(2016年製作の映画)
2.0
テーマや雰囲気はどちらかというと好きな部類のはずなのだが、どうにもイマイチだった。監督と役者がこのテーマを扱いきれていない感じ。それっぽいエピソードが並んではいるが、どれも非常に中途半端。展開を作るためだけの無理のあるシチュエーションやご都合主義的流れも多い。冒頭のシーンはただそれっぽいだけ。精神的に追い詰められたことを表現するのが過呼吸ばかりのワンパターンなのもいただけない。映像も狙いはわかるがぱっとしない。

本田翼は悪い意味でホラー映画のようなテンションの演技で、作品に合わない。低い声を出して不自然な喋り方をすることで無理矢理に雰囲気を出そうとしているようだが、台詞回しや表情の作り方が稚拙なのでどうにもこうにも。山本美月は良い意味でも悪い意味でも目立たない。

このタイトルとテーマなら描写をもっと「少女」に絞れば良いのに、少年や男性を中途半端に出してくるので話の焦点がぼやける。アンジャッシュ児島も稲垣吾郎も、悪くはないが全然良くもない。主人公二人が割とおぼつかないのだから、せめて脇役はしっかりと実力のある本業の役者で固めてほしかった。まぁ主演二人も年齢的に「少女」と呼ぶのは厳しいが。このテーマなんだから無名でも本当の「少女」を使うべきだよなぁ。
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