キャサリン子

映画 聲の形のキャサリン子のレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
3.9
同じクラスに聴覚障害者の西宮硝子が転校してきた。
元ガキ大将の石田将也は、彼女をイジメの標的にし退屈な毎日から逃れていた。
しかし、硝子とのある出来事により将也は孤立し、心を閉ざす。
5年後、高校生になった将也は、硝子のもとを訪れることにし……。


さすが、日本が誇る京都アニメーション。
どのシーンを切り取っても美しい。
満開の桜、輝く新緑、夜空を彩る大輪の花…
今後、京アニ作品は必ず映画館で観ようと決意しました。


ストーリーはいわゆる青春モノです。
ですが、他の青春映画と違うのは、出てくる人物に完璧な人や完全な善人がいないことです。
根っからの悪人も出てきません。
出てくる彼等は、皆どこか不完全であり未熟です。
なので、観ている私たちは作中の誰かしらに過去の自分が重なり、胸がチクッとなるのを感じることでしょう。

安直なお涙頂戴モノではなく、いくつかのテーマが折り混ざっているのも本作が評価されている理由だと感じました。
自分がしたことは、必ず自分に返ってくるということ。
そして、孤立したコミュニティから回復するためにするべきことはなにか。
また、自分の居場所を見つける方法。などなど…。

多感な高校生たちの純粋で複雑な姿を見ながら、友人や社会とどう交わっていったら良いのか、そのヒントを与えられた気がしました。
キャサリン子

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