『伝えたいのに、伝わらない』『理解したいのに、理解できてない』人と人が互いに理解し会う事の難しさ……。
私がこの作品を知ったのはマガジンにて読み切りが掲載された時でした。
聴覚障害・いじめをテーマにした作品と言う感じを当初抱いていました。けれど、それ以上に人と人が向き合うお話に衝撃を受けた。
連載が始まり毎回胸を締め付けられる思いをしつつ、主役の二人が少しずつ理解し、成長していく姿に涙しながら読んでいました。
そして、今回日本で一番のアニメーション会社である『京都アニメーション』さんが劇場作品として聲の形を手掛ける事に震えが治まらないです。
曖昧な表情の描きや、目線の位置。モブの一人一人にまで動きを与える圧倒的演出力は流石であります。
さてさて、やっとこさ本編についてですが……涙が止まりません。
全7巻の作品をよくぞここまで綺麗にひとつの作品にしてくださいました。
どの役者さんの演技も素晴らしかったのですが、特に早見さんと悠木さんの姉妹(劇中)の演技の素晴らしさにはただただ脱帽です。
後悔と贖罪
障害・いじめという重いテーマではありますが、この作品はもっと単純に『あの時、もっとちゃんと伝えてたら。もっとちゃんと相手を理解出来ていたら』と、分かり会う事の難しさを描いています。
障害の有る無し関係なく人と人が向き合う事の不安や葛藤の物語。
健常者同士だって日常的であり、障害なんて本当に関係ないのです。
どちらも悪い子ではない。けれど、伝える勇気や理解がすれ違ってしまった。ただそれだけなんです。
そのすれ違いの過去を取り戻す為に苦しみ涙する姿に『頑張れ!』と、聲をかけてあげてください。