HAL8192

映画 聲の形のHAL8192のレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
3.9
若者たちのディスコミュニケーションをありありと描いた作品。

ヒロインが聴覚障害をもっているということから、そこは本質ではないと思う。

この物語の本質は「伝える」ということだと思う。

物語的に西宮さんを聴覚障害という「伝える」ということが困難な存在として起き、それを差別し、排他していく。(虐めとして残酷に画面を映し出される)

主人公はその虐めの首謀者になっていくが、ある場面から一転、見せしめとして虐めの対象にもなっていく。

それから時間は流れて・・・
そこから主人公の「伝える」ということの物語が始まっていく。

そこからは脇を固めるキャラクター達が加害者として、被害者として、いやそんなに簡単に二分割に出来ない関係として「伝えあって」いく。

各キャラクターの「こえ」そのものが絶対的な善でも悪でもない不思議な関係の中で、コミュニケーションが続いていく。

特に植野という一見、嫌で仕方がないキャラクターの露悪的なもの言いや芯をついた発言はなんとも言えない。(これがあるから単純な感動ストーリーにならない)

ラストどうなるかは劇場で見て欲しいが、単に聴覚障害の感動物語とは思わないでほしい。(重要な要素ではあるが、それが全てではない)

ただ、原作がコミックスで7巻分を129分にする為に、かなりギュウギュウに詰め込んであるので、そこはどうしようもないがマイナスポイントだった。
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