ばま

映画 聲の形のばまのレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
4.5
舐めたらあかん。

ふわふわの女の子がぁ〜恋して〜
色々あるけど最後はハッピー!!
みたいな、心が叫びたがってるんだ。的な映画
(語弊あるか…)やと思ったのに。

何このリアル。
実写よりも、アニメのかわいい絵柄で綺麗な色やからこそ、もっと残酷に思えた。
これは観ておくべき映画!!!

小学校→中学校→高校 って成長してくけど、
登場人物の関係性が見事に変わってく。
ほんまに子供って残酷。
でも、小学生の時のこういう残酷な経験がその人の人格を作るし、それで人の痛みを知るよね。
そこで気付かない子は、ずっとそのまんま…
本当にその成長過程とかスクールカーストとかを忠実に描いてるアニメで、重〜いねんけど、
序盤からすごく入り込んでしまった。


アニメって、魅力的なキャラクターありき
やと思ってるんやけど、
ゆづるがそれを完璧に担ってくれてて…まじ惚れる。
しかも石田にもらった靴ずっと履いてて、超かわいいww
石田から「月を聞き取れなかった」って相談されて吹き出すシーンが好きすぎる。笑

岐阜にある養老天命反転地、すごい行きたくて、
でもアニメの中で見ると「実際に存在するの…?」ってくらい不思議な場所やな。
よくぞ出してくれました!って感じ。


硝子の声が、だんだん聞き取れるようになってくるし、不思議と手話が分かるようになる。
敢えてそういう風に作ってるんやろうな。
昔、山形で見た「ここにおるんじゃけぇ」ってドキュメンタリー映画も、内容は全く違うけど、主人公のおばあちゃんの言葉が最初全く聞き取れへんのに、映画が終わる頃には聞き取れる様になってる、不思議な映画やった。
その監督さんは「字幕版も一応あるけど、自分の耳で聴き取ってほしくて、敢えて字幕なし版を流した」って言ってた、
聞き取ろうとすることが大切。。。


内容の重さに比べて終わり方がスッキリしすぎて、
「あれ、最後どう終わったっけ?」
って思い出せへんくらいサッパリ。。。笑

数日前に職場の後輩の男の子と、この映画の話ししてたら彼は
「最後aikoの曲で、恋愛方向に行ったのが残念やった」
って言ってた。
…そうか、aikoで恋愛になってたか、なるほど、って。笑


後味はもうちょっと残して欲しかったな、と思いつつ、重さの残らないサッパリ味で良かったのかも…とも思いつつ。

舐めたらあかん映画でした。


p.s.
2020/7/31 金曜ロードショー
久々に観たら、佐原さんの
「怖いかどうかは乗ってから決めることにした」
ってセリフがジーンと響いた。
ばま

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