Emma

映画 聲の形のEmmaのレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
5.0
号泣。

明日の顔が心配●| ̄|_

メッセージ性の強い、非常に見る価値ある1本。もっと軽い学園ラブかと思って見始めたわたしは序盤からバッキバキに心を折られました。。もちろん、良い意味で。

肩に血をつけたお母さんの描写は、胸がえぐられました。でも何より序盤の西宮さんへの意地悪がとにかくリアルで。

いじめっ子だった主人公があっという間にいじめられっ子になってしまう早さ、全てが本当にリアルで、どんどん心の殻を分厚くしていく主人公の気持ちも痛いほど伝わってきます。とっても、丁寧に描かれた作品で文句の付け所があまり見当たらない。

実際わたし自身もアラサーになった今でさえ、12歳の頃に自分がひどく傷ついた小学校時代の経験とかって、全然思い出せる。

いつまでも小学校のこと引きずってる人なんて居ない!と言える逞しい人もいるかもしれないけれど、実際のところ、人って思った以上に、変わらないまま大人になっていくんじゃないかな、と思います。

今でも時々自分の中に12歳の自分を感じるし、もうその頃から2倍以上生きてることだってすっかり忘れてしまう。

自分が誰にどんな意地悪をしたり、されたりしたか純粋な子供時代であればあるほど、悪意の訳がちゃんと分からないぶん、鮮明に刻まれる部分もあると思います。

だから本作で主人公に刻まれた傷が高校になってもそのまま残ってることは、リアルだなあと感じました。

誰かに意地悪することが、その先どんなふうにその人の人生に影を落としていくか、分かりきってない子供たちにも見てほしい作品。そして、ときどき痛む傷と付き合いながら生きてきた大人たちにも見てほしい作品。

またひとつ、世界を優しくする力を持った映画に出会えました!感謝!
Emma

Emma