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映画 聲の形のharunomaのレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
4.5
劇場では初めて
聲のシェイプ、出会いは白夜だった。
白夜は声であった
すでに画面自体が実存への呼びかけであり
風景が音が艶かしくその奥行きと記憶の焦点を多重し、瑞々しくも不気味なまでに(闇のなかの光のなかの光からイメージは始まり、原初の問いは、微笑みの記憶と共に花びら舞う空へと繋がる)繊細に震えている。
われわれの世代(ガレルのようにこれは世代の問題でありこう呼べるのが嬉しい。京アニの歴史は長いのだろうが、明らかにカイロスの時)に山田尚子が、あるいは京都アニメーションが存在すること。The Who/My Generation
山田尚子は天才だと言っているだけでは暇すぎる。この人はロウリーくらい偉い。鶴岡陽太の音響もしかり。アニメは音だけ、音楽だけが現実を繋いでいる、映画もまた。木製のハンマーが動く音、消音フェルトが擦れる音、ペダルがきしむ音、鍵盤と爪があたる音。楽音と雑音、音楽と非音楽。キーとなるアップライトピアノの中にいるみたいなミュジーク・コンクレート/音楽が素晴らしい牛尾憲輔。
現在の日本にはテキサスもロウリーも現れないが、橋はあり、希望は果てしなく大きく、京都アニメーション、シネマ、ベネデッタ。
語りそのものはここさけのほうが好きだ。
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