へちょりーの

映画 聲の形のへちょりーののレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
4.6
「君に生きるのを手伝ってほしい」

漫画原作は未読で鑑賞。
ずっと涙が止まらない作品だった。
これは感動どうこうではなく、きっと幼少・少年期に似たような経験があったこと・どの登場人物の気持ちが痛いくらいわかってしまったこと、この2点がすごく僕の心に突き刺り涙が止まらなかった。

子どもは時にして残酷だ。
そしてそれをずっと引きずってしまうことは往々にしてある。
この作品は「過去と真正面から向き合う大切さ」も伝えようとしたのだと思う。

この作品のコメントで他の方が記載されていた文章で正しくこれだと思うものがあったので、引用させていただきます。

「過去は消せないけど、やり直すことは出来る。」

この通りだと思いました。
大人になればなるほど、このやり直しにより時間が必要となり難易度が上がる。
誰にだって「あの時こうしておけば」なんてことはたくさんあると思う。
きっとそう思った時がやり直すスタートの一端になるはず。

そんなきっかけを真正面から突き刺してくれたこの作品に感謝したい。
生きることは難しい。
だからこそ、「誰か」に生きるのを手伝ってもらいながら生きていく。
その「誰か」を見つけられるような人生を歩みたい。

京アニらしくストーリーも、背景も、効果音も、劇伴も全て丁寧に仕上げられていた。
こんな作品を世に残してくれた製作陣に心から感謝したい。