宇宙弟兄

映画 聲の形の宇宙弟兄のレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
4.6
 教師の立ち位置はなんだったのか。障害者を健常者と同等に扱うことが、彼なりの教室運営だったのだろうが、教科書を読ませることなどは、正に無知から来る差別だ。 
 そこから生まれた教室内での違和感。できないことをできると見せる大人のエゴに、子供は不平等感を覚える。頭が回り始めた頃に、自分の思いや意図を伝えられない苦しみというのは、双方に当てはまることだったと思う。
 この映画が見せてくれたのは、加害者は自分のしたことを決して忘れていないということ。心の奥底に仕舞い込み、自分をひたすらに正当化している。あいつが悪かった、いじめられる側が悪い。しかし、きっけかあれば、自分のしたことを償いたいと思っている。
 この作品は最初性悪説のように描かれるが、最終的には性善説に移っていったように感じる。世の中この作品の登場人物たちのように、良い人ばかりではないと思う。もし自分がいじめていた、もしくはいじめを見ていたことがあるなら、いつかそれと向かい合わないといけない時が来ると確信している。それが復讐に向かうのかは分からないけど。
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