とんちゃん

ウィッチのとんちゃんのレビュー・感想・評価

ウィッチ(2015年製作の映画)
3.8
時は1630年、日本では将軍家光が統治していた時代、北米ニューイングランドでのイングランド入植者達による宗教裁判から始まる。その宗教的価値観の違いから一家(父、母、子供5人)は追放される事に。
一家は森の近くに住む事にした。
森には邪悪な者が潜んでいると伝われた頃である。

住み始めるも一家は食糧難となる。
そして次々と起こる不可思議で不幸な出来事の連続。
パニック…



主人公長女役を演じるアニャテイラー=ジョイがまだあどけなさが残るも、その目の大きさからの存在感は大きい。

登場した双子は幼いにも関わらず可愛くない(見た目でなく)
姉兄は立派に育っているのに双子の言動やその声を聴く度にイラつかせられた汗

照明など人工的な光を使わず、夜はキャンドルの明かりなど自然光を使った為か暗い。
ただこの暗さのお陰でグロい部分が中和されている様に見えた。
けど不気味さは増す。

ベースが宗教的なだけに、なかなか入りにくい面があるけど、
ウサギ、黒ヤギ、カラスなどの動物をうまく使いホラー感を引き出している。


イングランドから北米ニューイングランドへ入植が始まったのは1620年。あのメイフラワー号に乗ってきた者たち。その多くは清教徒の分裂により迫害を受けアメリカへ逃げる形で入植する者が多かった。今日アメリカでバプテスト教徒が多いのはこの頃にニューイングランドに入植した者たちの影響である。
この1回目に入植していた清教徒たちがニューイングランドでコロニーを形成。後から入植した者は宗教的価値観の違いから追放される事が少なくなかった。
今回1630年との事からイングランドから2回目の入植者である事がわかる。

またこの時期のヨーロッパでは魔女狩りが蔓延していた時代でもある。
ニューイングランドでもその影響を受け集団パニックを引き起こす一因になっていた。

この作品で登場する一家は架空の者たちで実在こそしていないが、エガース監督がニューイングランド出身でその伝承される話を幼少期から聞いていた事や歴史を調べ上げ作り上げた作品。
原題がVVITCHとWをVVにしてあるのは当時の古書からその様に表記されているもので、特に深い意味は無い
らしい…