セガール幹事長代理

ウィッチのセガール幹事長代理のレビュー・感想・評価

ウィッチ(2015年製作の映画)
3.0
長女を魔女だと思うお母さんと、長女の胸の成長に興味津々な弟と、いてもいなくても一緒のお父さんの話。
不潔と貧困はセットである認識はどうやら世界共通なようだが、そこに悲哀とか、哀愁とかを漂わせたのが本作である。不忍池を根城にするホームレスに悲しみを加えた、と言えば分かりやすいかもしれません。

前述したスケベ弟が巨乳の魔女の美人局的なトラップに躊躇ゼロで引っかかる様はドリフを見ているかの如く、迫りくる親近感に胸の高鳴りが止まりません。

これは私の無知以外の何物でもありませんが、畳み掛ける不幸を神だの悪魔だののせいにして、困ったら夕食前の祈りの時間を増やす一貫した行動は、恐ろしく滑稽に思えてしまいます。

東京都千代田区に恋愛成就を推す神社があって、そこは親を質に入れても金持ちでイケメンの彼氏がほしい不細工な女と、結婚できな過ぎて親戚からゲイだと勘違いされたおっさんが集い、理想のパートナー取得を乞う聖地なのですが、昨今は出来上がっているアベックどもが更なる幸福を求めて犇めきあい、カースト下位の男女の居場所をより一層奪っていると言います。

福田元総理に似た女が彼氏を連れて、絵馬に「来年も一緒に浴衣着たい」って書いてる様子を後ろからチラチラ見てると、お前がこれ以上の幸せを望むんじゃないと思ってしまう私も私ですが、そんな現実をカースト下位の野郎どもだってよく理解しているので、彼らは神や仏に頼るだけではなく、やつらはやつらでエステやらAGAやら湘南美容外科やらと、なんとか理想の人生を鷲掴んでやろうと、命を削っているのです。

祈ってれば何とかなる、という姿勢がどうにもこうにも理解不能で、じゃあどうすりゃいいんじゃって言われたらそれまでなんですけど、そのへんが宗教映画のいまいちとっつき辛いところだったりします。

全体的な雰囲気はよかったです。なんかふわっとしてました。