舞台は17世紀のニューイングランド。旧約聖書の解釈の違いから村を追い出された一家。
新たな住処となったのは深い森の近くの荒地。
家畜を飼い、畑を耕し、質素な生活をしていた一家だが、ある日赤ん坊のサムが連れさらわれてしまう。
そこから一家の狂気と崩壊が始まる。
悪しきものは一体誰なのか。
不可解なことが起こったとき、周り全員が怪しく感じられ、集団ヒステリーになるのは家族内でも同じこと。
かつ全員が敬虔なクリスチャンであり、飢えと貧困に苦しんでいたことが、更に事態を悪化させていく。
次々と起こる悲劇は悪魔が生んだ魔女の仕業なのか。それとも…
暗くて静かな画の中、白い洋服に真っ白な肌の少女が幽霊のようにたゆたう。
黒と白と真っ赤な血。無駄な色が一切排除された世界はひんやりとしていてとても美しい。
動物たちは何の化身なのか、何を伝えようとしているのか。
何処までが現実で何処からが幻覚なのか。
私は良いものも悪しきものも存在すると思っているので、その判断を委ねられる曖昧さが好きでした。
観客10人くらいのレイトショー、それも私が最後列で後ろに誰もいなかったので、余計にビクビクしながら観てました笑
247/2017