ずけし67

ウィッチのずけし67のレビュー・感想・評価

ウィッチ(2015年製作の映画)
4.5
これはとても良く出来たゴシックホラーでした。
久しぶりに怖さを楽しめる良質のホラー映画を観たなあって感じで満足満足。


厳格なキリスト教徒の一家が、聖書の解釈の違いによる対立から村を追われ、村から遠く離れた森の片隅で自給自足の生活をすることを余儀なくされる。

信仰する神の教えと家族以外に頼るものはなく、貧困と日に日に苦しくなっていく食糧事情などから、生活に対する一家の不安は徐々に深刻なものへとなっていく状況の中、赤ん坊のサムが何者かにさらわれ消えてしまうという事件が起きる。

赤ん坊をさらったのは森のオオカミか、それとも魔女の仕業か。

事件をきっかけに混乱し、精神的にも追い詰められていく一家だったが、疑惑の目は赤ん坊の子守をしていた長女トマシンへと向けられ...



17世紀という古めかしい時代設定をうまく生かし、当時とても恐れられていた魔女伝説にまつわるストーリー仕立てで、観る者をジワジワと恐怖の淵へと追い込んでいく構成や見せ方が巧みで上手いです。

この作品はホラーですが、恐怖をアピールするのに直接的な描写で見せるという手段をあまり取っていないのが特徴的。

迷宮のように深くて暗い森、曇り空に漂うどんよりとした空気。
身内を疑い疑心暗鬼になって精神的に追い込まれていく一家の面々。
本物なのか幻想なのか、はたまた何かの暗喩なのか、時折姿を見せる不気味な存在。
ヤギやウサギといった、そこらに普通にいる動物までも謎めいた気味悪さをかもす描写。
そして絶妙な加減とタイミングで煽るBGM。

などなど、観る者をゾクゾクさせる恐怖演出がとても上手く、実際観ていてドキドキと鼓動が高鳴ってくるような恐怖を楽しむことができました。

そんな何とも得体の知れない恐怖をジワジワ植えつけながらの終盤からラストへの流れも、意外にも予想を超えた盛り上がりを見せる展開で、思わず前のめりになって見入ってしまうような、そしてラスト見終わったところで、緊張していた肩の力がストンと抜け、溜まっていた息を一気にブハァっと吐き出す、そんなインパクトと余韻を残す締めくくりも自分好み。

良質なホラー映画として高く評価できる作品でした。
面白かったです!