dm10forever

ウルフ・オブ・ウォー ネイビー・シールズ傭兵部隊vsPLA特殊部隊のdm10foreverのレビュー・感想・評価

3.6
【テンポ】

続編を鑑賞しようと思い、慌てて前作を鑑賞しました。

う~ん。どうなんだろ?
迫力は凄いです。中国における空前のサッカーバブルを見てもわかるように、お金が余ってるんですね。相当お金かかってます(笑)。
なので戦闘シーンはハリウッド並みの迫力があって、きっと映画館で観たら燃えただろうなと。

ただ、全体的に「淡泊」なんですね。

色んな意味で背景の書き込みが足りないので、悪い奴がどうして悪いのか?どれくらい悪い奴なのか?そして中国軍がどれくらい強いのか?戦狼という部隊が何故あってどれくらいの戦力なのか?そもそも規律違反という直接的な理由はあるも、なぜ主人公が戦狼に配属されたのか・・・全てが触り程度にしか触れないので、一応理解はできるものの、入ってこないというか感情移入が出来ないままどんどん話が進んでいってしまう若干の置いてきぼり感・・。

好意的に見れば、昨今の韓国映画にみる「作り込み主義」の真逆を行くような「ライトテイスト」の映画なので、頭を娯楽に特化してみれば結構楽しめます。

中国ではかなりヒットしたみたいですね。
そっか・・昔の国威発揚とまでは言わなくても、どこかでそういうキナ臭いにおいも感じちゃったんですよね。劇中でも盛んに「中国軍は負けない!」「中国軍こそ最高だ!」みたいなセリフが繰り返されるたびに、「ふ~ん・・・」とどこかうすら寒い気持ちにもなってしまう。やっぱり心のどこかでそういうのがあるんだろうなと感じちゃったんですね。

続編の方が軍隊色が薄まっているようなので、もうちょっと軽い気持ちで観られるかも・・・。

政治色の強い作品は他にもたくさんあるし、結構好きなジャンルではあります。
ただ今作を観て「だからこそ、フラットな感覚が必要なんだな」と改めて感じましたし、そう思える頭があるからこそこういう作品もまた一つと「映画」として受け入れられるのかなとも思いました。

きっと今のような緊迫した状況じゃなければもっと純粋に楽しめたのかな。だけど今じゃなかったらこの作品も作られなかったのかな・・・。
変なところで複雑な心境・・・。
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