とっても好みな作品だった。全ての要素がぴたっとハマって、心地よい雰囲気を作り出していると思う。紅茶を片手に、温かい陽ざしの差し込む部屋で、のんびりくつろいで観たくなるような感じ。
マンションの上下階同士のおじいちゃんとおばあちゃんの恋愛。ほんわかした雰囲気で優しい気持ちになれるお話だけど、コミカルさもあって、それがいいスパイスになっていた。隣人だけが唯一の鬱陶しい存在。気持ち悪さも…笑
ホッピーさんをダスティン・ホフマンが、シルバーさんをジュディ・デンチが演じていて、二人とも役の雰囲気にぴったり。特にダスティン・ホフマンよかったなぁ。ジュディ・デンチは他作品でも、こんな雰囲気の役をやっていたような気がする。
そして、ストーリテラーがいるのは大きなポイントだと思う。個人的には、「ワンチャンス」で歌を披露している印象が強いジェームズ・コーデンが（コメディアンとしての彼の番組を観ると、まるで別人ｗ）、物語の関係者としてこの役を演じている。これがあるのとないのとでは大違い！
さらに、ブリティッシュ・イングリッシュが活きている映画だと感じた。個人的にあの癖がだいぶ苦手なんだけど、全体の雰囲気とあのアクセントがすごく馴染んでいて嫌じゃなかった。
ホッピーさん家のバルコニーもすごく素敵。花とか見てもときめくことがまずない人間だけど、イングリッシュガーデンは別♪私もあんな風にしたいなぁと思っちゃった。
舞台となるマンションも素敵だし、使われている音楽もよく、柔らかさと明るさのある綺麗な画も魅力的だった。
「愛されなくても、愛することは止められない」「最後まで戦うんだ！」「言葉にすることで愛になる」素敵なフレーズに出会うこともできるし、優しくてシャイなホッピーさんを応援したくなったり、チャーミングで陽気なシルバーさん可愛いなぁと思ったり…気づくと笑顔で映像を観ている自分がいる。そんな温かくて優しい映画。
