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素敵なウソの恋まじないのNMのレビュー・感想・評価

素敵なウソの恋まじない(2014年製作の映画)
3.0
ストーリーは荒唐無稽なコメディ。まじめに捉えてしまうと、嘘つきだし、動物虐待ということにもなりかねない。マンガか絵本を読むような気持ちで観るのが良いと思う。そんな馬鹿な、というかなり無茶苦茶な設定。

語り手の男性は実際に登場し街を歩きながら状況を説明する。
とても分かりやすくなるので、子どもでも観られるだろう。家族で観るのも良いかも。

ジュディ・デンチが、007とは真逆のキャラ。
派手な服、明るい性格、ピュアで何でも信じる。
ウソに気付かない。語り手はそれを「喜びに満ちた人なんだ」と言う。
喜びに目を止めるようにしていれば、細かいことは気にしない人生が送れるのかもしれない。

ダスティン・ホフマンは、恋のために全てを犠牲にしてしまっていて、どうかと思った。
これがもし若い女性だったら、お金と時間を犠牲にしてばかりのそんな恋はやめなさい、と言うだろう。
だが、人生最後の恋だとしたら、めちゃくちゃになってみるのもありかもしれない。手堅く生きるだけが人生ではない。

自分のエゴのためにカメを買い集めたように見えたが、彼なりに愛情を注ぎ、希望を託している。カメになりたいとすら思っており、カメたちと戦友や家族のように感情を共有している。名前をつけ、新鮮なエサをふんだんに与え、清潔を保つ。

初めはあまり大量のカメの映像は好まなかったが、半分ぐらい観るとこちらも少しずつカメを好きになってくる。

ラストは少し意外で良かった。

メモ
not the brightest bulb in the chandelier ……
頭が鈍い、鋭くないことを婉曲した熟語。気付いたシルバーが自分を指して使う
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