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アフターデイズ・ボディ 彼女がゾンビと化した世界のTAのレビュー・感想・評価

2.8
1人の女性がゆっくりとゾンビに変貌していく様を描いた前作『スリーデイズ・ボディ』のラストシーンから始まる続編。前作で主人公の女性ゾンビと性交渉を持ってしまった男を主人公に、ウィルス蔓延騒ぎの元凶である正体不明の男をサイコキラーに仕立て上げ、サスペンス・スリラーとして展開する。
犯人を追う主人公と共に女刑事の視点も交えつつスリリングな味付けで構成している。

前回は「1人の女性が徐々にゾンビと化していく状況」をグロテスクかつ半ばエロティックな魅せ方をしていた分、醜く退廃していく美しい女性の姿だけでも見所は多くあったのだが、今回、主人公の冴えない男が腐敗していく様は所謂「ただのゾンビ」であり前回ほどのインパクトに欠け、加えて原題の通りフェーズ2というだけあって感染の範囲が拡大して色んな所でゾンビが出現してくると、他の低予算ゾンビ作品との境界が更に曖昧となって魅力が減退してくる。
そして途中まで観た時点で、何らかの形で続編を匂わせる事は間違いないと確信。もはや興味があるのはある1点だけ。「どんな形で続編に繋げるつもりか」

結果、やっぱりそこ来たかと思いつつ、この手のジャンルは発想を飛躍させればさせるほど、笑いに変わってしまう。
もはや1作目の不穏な空気は無いにも関わらず、それでもシリアス路線を貫こうとするあまり振り切れた面白さに欠け、他のゾンビ作品に埋もれる破滅の道を歩んでいる印象を受ける。
しかしまぁ、嫌いじゃないし、寧ろ好きです。

身体からの蛆虫取り出しシークエンスとガールフレンドの眼球落ちは一見の価値があり、そしてラストのゾンビは『ドーン・オブ・ザ・デッド』や『ブレインデッド』で既に使われたアイデアではあるが、それなりに下世話な想像を膨らませる余韻があった。
次回作を「それ」でいくなら、製作者は上に挙げた2本を超えるインパクト又は下らなさに命かける程の覚悟が必要だな。
応援してます(^^)
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