ちよ

怪談五種のちよのレビュー・感想・評価

怪談五種(1919年製作の映画)
4.5
このUnheimliche Geschichtenという映画は皆から忘れ去られてるのではないか?と思う程に話されていない気がする。過小評価されている傑作なのでは?

コンラート・ファイト好きには美男子度が最高潮の時期に、このような見栄えやキャラ設定にこだわった気味悪い話に出演しており大変満足度の高い映画。監督のRichard Oswaldとは何回か一緒に仕事をしているが、この映画を見るだけでもVeidtはかなり監督に気に入られていることが伺えると思う。

撮影監督はDer Reigen, Der Januskopf, Lady Hamilton, Die Nibelungen, Der Kongress tanztを務めたCarl Hoffman。

カリガリ博士でアラン役だったHans Heinrich von Twardowskiも出演しているらしい(ドイツwikiより)。どこにいるんだろう。

セット美術はドリームライクかつお洒落、また衣装もお話の性格に合うお上品なもので、この映画の美術はカリガリ博士で有名なWalter Reimann。

撮影も画面分割やエクストリームクロースアップショット等が使われていて、ホラーとしてとても効果的な撮影が出来ていたと思う。

最後の貴族の浮気のお話はOswaldのオリジナルで、その最後のシーンでVeidtが「男は妻を楽しませるためにとっても気味悪い話が必要なのさ」(うろ覚え)の趣旨を言っていたので、ここでタイトルの伏線回収がされている。

個人的には自殺クラブのお話が非常に面白いし、セットも1番オシャレで、Veidtのビジュと役柄も最高だった。しかし全ての物語でVeidtがイケメンすぎるし、イケメンな役だった。死神と娼婦と悪魔が絵から出てきて本を読むという導入になっているが、死神の見た目もハマってて最高すぎる。OswaldはVeidtさんの魅力を全て分かっていて、この映画で余すことなく発揮できている。本当に感謝。
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