ロジャー・コーマン製作のタコとサメのハイブリッド生物「シャークトパス」シリーズの第3弾です。前回は翼竜とパラクーダのハイブリッドプテラクーダと戦いましたが、今回は狼とシャチと人間のハイブリッド「狼鯨(ホエールウルフ)」と戦います。
アメリカ軍が開発した生物兵器シャークトパスがドミニカ共和国に出現し、酔いどれ船長レイと相棒パブロ操縦する船で行われていた水中葬に乱入し、棺桶と参列者が食い殺される惨事に。ブードゥー教の司祭タイニーはレイたちに「シャークトパスの心臓を持ってくるように」と命令する。一方、マッドサイエンティストのラインハルト博士は落ち目の野球選手ローサを実験台に海のギャングシャチと狼の遺伝子を組み合わせた狼鯨を誕生させる。二体はお互いの力を誇示するように港町で激突する…というストーリーになっています。
元々トンデモ設定というか、一発ネタな作品でしたが、今回は前二作と違ってコメディに振り切った作風になっています。登場人物もみんなふざけた感じだし、ブードゥー教の司祭が命令無視して逃げ出そうとした主人公達呪い人形で呪うオカルト展開は入ったりと内容的には前二作にもましてグダグダな感じ。でも、コメディに振り切った作風は個人的には割と楽しめました。普通に通行中の一般人がバンバン映りこんでるのもこのノリなら許せるか(笑)狼鯨がエロ看護師追い掛ける所でわざわざスローにして胸の揺れ強調する所とかも確信犯なサービス精神。あの看護師えらい逃げ回ったな(笑)
今回の対戦相手である狼鯨は、粗暴な性格の元プロ野球選手を素体に、シャチと狼の遺伝子を組み合わせて月光に当てて誕生しますが、CGはシャークトパスと同じく安っぽいです。シャチ感はあんまりなくて狼要素の方が強めですが、見た目ポケモンというかピクサーの映画に出てきそうなデザインです。マッドサイエンティストのラインハルト博士の研究所で飼われてますが、博士から大食いや粗相を叱られて「クゥ~ン」と落ち込んだり、甘えたがったり屠元のローサの人格すっかり消えて挙動は完全にワンコで、正直可愛さしかない。持て余した博士が自分を里親に出そうとしてると知って激怒するシーンは無責任な飼い主を批判してる名シーンです(嘘)
シャークトパスのCGの出来も相変わらずですが、こちらも人喰った後歯をシーハーシーハーしたり、自分を呪い人形で操ろうとする主人公に困惑して触手で頭かいたり、往復ビンタ喰らわせたり、ションピングモールの地図で現在地指し示す親切さ見せたりと前二作よりもコミカルさ増してます。SNSのアカウントも持っててトレンド入りやまとめサイトもできてるという有名人ぶり。まあ、あれだけ暴れ回ったらそうなるか。
二匹の対決シーンは初戦こそ水中でしたが、以降は陸上での戦いが多いですね。狼鯨が前足でシャークトパスの顔面往復ビンタする所悔しいけど笑っちゃった(笑)戦う理由はどうやらシャークトパスを倒すことで己の優秀さを示すというローサのプロ野球選手としてのプライドからのようですね。でも、前作と同じく戦うシーン少なくて、専らそれぞれ人襲うシーンだけです。
今やすっかりB級映画スターとなったキャスパー・ヴァン・ディーンが常に酔っぱらってる主人公の船長演じてますが、結構こういう役あうな(笑)ギャングの手下酔拳で金的して倒す所もちょっと笑った。彼と相棒のパブロとのやり取りも楽しかったです。ヒロインのアカリ・エンドウは日系ドミニカ人のようですが、中々かわいかったです。他にも媚薬作るためにシャークトパスの心臓欲して、呪い人形でシャークトパス操ろうとするブードゥー司祭などそこそこ個性的なキャラいたんじゃないかな。
やたらセクシーなマッドサイエンティストラインハルト博士役のキャサリン・オクセンバーグはキャスパー・ヴァン・ディーンの実の奥さんなんですね。
クライマックスの球場でのシャークトパスと狼鯨の対決がわざわざ開始のゴング鳴らした割にアッサリ決着ついたのは物足りなかったな。
まだまだ続編製作したそうなラストでしたが、現時点では本作で打ち止めのようですね。
コメディに振り切った作りは個人的には楽しめましたが、前作までのノリ好きな人には好み分れそうな作品でしたね。