ピクサーがヒンドゥー教の作品を作った事に少し驚き。でも「宗教は大事!」「神様ってのは偉大!」というところに着地しないのが素晴らしい!!現代社会に一石を投じた素晴らしい作品だと思います。
大好きなヒーローの人形を片手に持ちながら、そのヒーローの番組を見ている少年。
それとは対照的に神に祈りを捧げる父。
父は息子に一緒にお祈りをしてほしい。だが子供はそんなもの興味なくヒーローの番組を観ていたい。
そんな少年が体験する奇妙な物語。
父親にとってのヒーローというか頼れる絶対的な存在が「神様」なのであって、
子供がそのヒーローの人形を持ってその作品を観ることが、
偶像崇拝と信仰とあまり違いはないという事なんですよね。
ここ最近は宗教でも
イスラム国が過去のイスラーム圏の復活をしようとしていますし、もちろんキリスト教にだって原理主義だっています。
でもこの作品では神様達が悪いカルマ?みたいな存在に負けそうな時に少年のヒーローが活躍するんですよ!!
つまり『宗教って神様だからってどちらが偉いとか無宗教がだめだとか、そういうわけじゃない』
『逆に宗教の神様と少年のヒーローは何が違うんだよ?』
という宗教の普遍的なテーマも描いているんですよね。
そしてラストの父親がヒーローについて尋ね、子供はヒンドゥーの神様の絵を描いてみる。
これが人類全体でできれば、争いなんて亡くなるのに。
「アーロと少年」の前にとんでもない傑作を観ちゃったせいなのか、なんか「アーロと少年」が霞んで見えました笑