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鬼談百景のhorahukiのレビュー・感想・評価

鬼談百景(2015年製作の映画)
3.2
『残穢 住んではいけない部屋』のスピンオフ。主人公だった小説家のもとに届いた他の怪談を10編のオムニバス形式で紹介していくという内容です。

最近テレビで実話系の怪談番組ってほとんどやらなくなりましたよね〜時々やってるほん怖くらいでしょうか??たまにやってても、クオリティかなり低くて残念なんですけど、この映画は面白いやつもいくつかあって楽しめました。監督それぞれが思ってる「恐怖」に対する考えが様々で見ごたえがありましたね。

『追い越し』
車で心霊スポット巡りをしてる学生グループが深夜何もない道を1人で歩いてる女性を見つけ…。これはないですね〜書くこともないです。

『影男』
おばあちゃんが孫と昼寝をしてると突然何度もガラス戸を叩く音が聞こえ…。音がするところをおばあちゃん目線で遠方から近づいていく撮り方が良かったです。音がするし確かにその場所に何かが見える。不審者かそれとも…な感じが好きでした。明確なオチを作らないのも実話怪談っぽいですね。

『尾けてくる』
女子高生が学校から帰る途中に自分をずっと見てくる不審な男を発見し…。何をするでもなくつきまとう不気味さが良かったです。

『一緒に見ていた』
教師の主人公と一度関係をもった事務員の女性が校内で自殺。救急車が来るまで主人公が1人で死体を見ることになり…。実体のある演出が好きでした。

『赤い女』
赤い服を着た女が襲って来るという都市伝説を転校生が話し出し…。これは結構好きでした。面白いのは、赤い女が実体があるようにも見えるところ。完全に幽霊だと思うのですが、登場シーンや襲って来るシーンに妙な人間ぽさがあって、幽霊と人間のハイブリッドな恐怖を味わえました。転げ落ちて来るとことかナイスですね。

『空きチャンネル』
テスト勉強中に、ラジオで空いているチャルネルから女性の声が聞こえてきて…。これはあんまり好きじゃなかったです。

『どこの子』
職員室で残業していた教師。見慣れない少女がいきなり現れその後を追うが…。これもあんまりでした。

『続きをしよう』
墓地に集まった数人の小学生。追いかけっこして遊んでいる途中に、次々に怪我をして帰って行き…。これが1番好きでした。ただの悪ふざけのつもりだったのに事態がどんどん深刻になり、みんなその異常に気づいているけど、口に出せない雰囲気が良かったです。怪我をすることが安堵にすり替わっていく流れがその異常さを際立たせてますね。最後のボカシながらのチラ見せも良かったです。魅せ方ってホント大事!あと、怪我じゃ済まないだろ!とツッコミたくなるほどのコケ方と効果音が笑えます。

『どろぼう』
近所に住んでる子沢山の家族。その母親のお腹が妊娠したように大きくなっているのに、本人は太っただけと言い張り…。何が起こるというわけでもないんですけど、一度染み付いた不穏な考えから脱することができない感じが良かったです。

『密閉』
最近彼氏と別れた主人公。荷物を取りに来るように彼氏に伝えるが、その荷物の中にどっかで拾ってきたキャリーケースがあり…。最後の一言は評価分かれそうですね。私はあんまりでした。でも、相変わらず独特なセンスありますよね。

ベスト3を決めるとしたら『続きをしよう』『赤い女』『影男』ですね。オムニバス怪談なので、気楽に見れるのが良かったです。
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