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好色 元禄(秘)物語のotomisanのレビュー・感想・評価

好色 元禄(秘)物語(1975年製作の映画)
4.0
 艱難で玉。玉の輿をすっぽかされて目指すはやもめの大旦那。一つ屋根の下、若旦那は親父の寿命が縮むのを待つ?
 艱難が霞んでしまいそうなお調子乗りの話がもう一つ。その妹は裏切り亭主を殺した罪滅ぼしに千人往生を掲げての女菩薩乞食行。千人目になんと死に損ない亭主の復讐を腹上成仏で返り討って、境地も一新、美味しさ十倍、万人往生を授けようとは。共に男の生気を吸い取ってますます盛ん霊験あらたか。天から二ブツを授かって聖俗両界制覇の大繁盛に笑いが止まらぬアホっぽさに感心。
 辛い浮世の恨みの果てに開けた光明におまけが一つ。女菩薩様のお付き小坊主西鶏がお夏女将のお導きで晴れて男となって名を改める事、西鶴とな。なんと"好色一代男"幻の異本かと。やけに口車がうまいと思った。
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