Apr. 22nd
J. J. Abrams製作
Damien Chazelle脚本
シリーズ2作目
シリーズ1作目が2008年に公開されて、衝撃的な印象与えてから、10年弱。1作目のテイストとテーマを引き継ぎながら、新たなことに挑戦した。
脚本はとても面白かったと思う。終盤までモンスターの姿すら見せず、さらには外に出る機会なんかもほとんどない。その一方で、シェルターの中で争いが生まれ、極限の状態の中で、生きるか死ぬかの選択を迫られるストーリーのコンパクトさは、とても映画としての完成度は高かった。
さらには、シェルターの作りや、セット美術は見事だったと思う。フィクションのテーマを軸にしながらも、日常に近い空間を演出することで、視聴者の感覚をできるだけスクリーンに近づけることに成功していた。
しかし、ディレクティングがどうなんだろうと思った。色々といい要素は出揃っているのに、そこをうまく生かしきれていないというか、ストーリーをチープなものにしてしまっていた。テレビドラマに近いような展開の浅さ、エンディングに向かっていく階段の急さ。そういうところが視聴者を突き放してしまったのかもしれませんね。
誰のチョイスかはわかりませんが、音楽が全くなく、プロダクションオーディオだけで成り立っているシーンがとても多かった。ストーリーが中心に向かって小さくかつ、濃くまとまっていくような演出なのだが、それにシーンの味の濃さがついてきていない。だから、視聴者は集中することができずに、飽きてしまう。決して、ストーリーを見失うようなことはないのだが、脚本に書かれている以上のものを映像から感じ取ることはできなかった。
次回作に期待。