前から気になっていた本作、レンタル開始になって喜び勇んで借りてきた。
サスペンス系もしくはダークファンタジーをイメージしていましたが、オエっとくるよなマジキモイ描写や、ジワジワと増してくる得体のしれない違和感と気味悪さ、そして明かされる衝撃の真実、これはもうホラー映画ですね。
そして大好きなはずの全裸女性を、これほどキモイと思った作品もなかなかないかもです。
大人の女性と少年しか住んでいない謎の小さな島。
その島ではすべての少年が奇妙な医療行為を施されている。
そんな島での日常に「なにかがおかしい」と違和感を覚えるようになった少年ニコラは秘密を探ろうと、夜中になると海辺へと出かけていく母親の後をつけていくのだった。
そこでニコラは、母親や他の女性たちが海辺でする " ある行為 " を目撃する。
それがニコラの悪夢の始まりだった...
絵画のようなジャケットに、ネイチャーフィルムを思わせる海辺や水中撮影の映像美に加え、単焦点レンズのような遠近ボケを多用した美しい描写がとても印象的。
その美しい描写が、物語が進むにつれて徐々に不気味で気持ち悪いものを映し出していくのが面白い。
セリフも少なく、BGMもほとんど無いしでとても静か。
そしてゆっくりと意味深に展開していくストーリーには説明も解説も無いため、観ていて眠くなるか、逆に引き込まれるか、その辺評価も分かれると思います。
タイトルの「エヴォリューション」とは「進化」という意味がありますが、果たしてこの映画が言わんとしている「進化」とは何を示すのか、監督・脚本を手掛けたルシール・アザリロヴィックも、「考えるのではなく、感じる映画」として作ったようなので、作中に出てくる描写の解釈に " コレ " といった正解はないのかもしれません。
そういった意味でも、観る側に任せた、解釈に幅を持たせた作品なので、物語の世界や背景、劇中で行われていた行為やその理由など、観終わった後に自分の解釈で想像を膨らませることを楽しむ作品なのではないかと思われます。
実際本作は、解釈の余地すらないような投げっ放しのワケワカメ作品とは違って、いろいろと想像の余地のある作品なので、僕はそれなりに楽しんで観ることができました。
というか、観た後にいろいろ想像して楽しんでます。
映像で語る、説明少なめの芸術系。
終始静かでジワジワ来るよ。
そんでもってキモ描写どんとこい!!
って人は観てみても良いかもです。