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死霊館 エンフィールド事件のblacknessfallのレビュー・感想・評価

3.9
前作、死霊館でジェームズ・ワン嫌いを克服したので、ワンに目を向けるきっかけになった死霊館のシスターに直結するこれを観ることに。

もう死霊館でコンセプトと世界観をしっかり確立してるから、こっちは導入部から説明的にもどかしくなることなくシュッと本題に入れるのが心地いい笑
それも最初から飛ばしてくるんだよ。例のレイトを避けながらも恐さを煽る演出を惜しげもなく出してくる。
要は音、悲鳴、ソリッドかつ不穏なカメラ・ワークを駆使して構築する恐怖演出は今作でも冴え冴え。

でも、かなり最初にここまで出しちゃったら、後はなんかトーンを強くしただけの同じ描写するしかなくなるし、前作でもそこは体験してるし、悪い意味でワンパターンになるんでは?て不安がよぎる。
このシリーズ、実在のゴーストバスター夫婦が除霊した事例を映像化してるわけで、真偽のほどはともかく、リアルであったことを映画にしてるて建前上、飛躍した演出にも限界がある。モデルになった夫婦の証言以上のことや、違う結末を画くことができない。
毎度、うまく除霊できました。て構造が規定されてる上に早々にショック演出をフルスロットルに出してきたから、こっから先、息切れになって、つまらなくなるのかなぁって思った。予想通りのものしか観れないみたいな笑

が、そこはやはり才人のワン監督だけあって、おれの不安は杞憂に過ぎなかった。
まず、前作はかなり古典的な幽霊、オカルトものフォーマットを基調にしてたけど、今作も土台は同じなんだけど(呪われた家が舞台だからそこは変えられない)、今作はショック描写に80年代のスラッシャー映画の演出を加えてる。
これがやっぱりツボを押さえてて怖いし、うまい。エルム街の悪夢シリーズによくあった手法。突然、本や絵の中のものが抜け出てきて襲ってくるやつ。不気味ながらそこはかとなくユーモラスなのが余計に怖い笑
そーゆー新たなギミックに前作からお馴染み&お得意の自在に操つりマックスの恐怖を紡ぎ出す緊張と緩和の演出が一体となって前作よりスケールもショックもパワーアップしたレイト・フリーの傑作ホラーになってた。やっぱすげぇなジェームズ・ワン😀

あと、今回は話自体がかなり捻りが効いててミステリー的なおもしろさもあった。この二重底のオチの撮り方の鮮やかさはソウの手法の応用に見えた。
死霊館のシスターにも出てくるアイツ、邪悪な雰囲気に禍禍しく陰湿な性質、死霊館のシスターでの暴れっぷりに期待持てるね😀
ブラックメタルのジャケにありそうなルックもいいね😈
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