あきしげ

ワールド・オブZのあきしげのレビュー・感想・評価

ワールド・オブZ(2014年製作の映画)
2.5
タイトルが某ゾンビ映画のパクリ。
確かに中身はゾンビ映画なのです。
ただ、作品の規模が町レベルです。
それを世界と言っているだけです。

低予算のゾンビ映画のイメージ。
それは笑えるホラー映画だろう。
もしくはPOVでの一人称視点。

生き残りをかけて戦う主人公たち。
しかし、怖いのはゾンビではなく、
生きている同じ人間だという物語。
それが大抵のゾンビ映画であろう。

本作は最初から最後までシリアス展開。
笑う箇所は一切ない真面目な構成です。
ちゃんと主人公たちはサバイバルする。
でも、アメリカだから銃は撃ちまくる。
なぜだか電気と水道は通っている矛盾。
そこにツッコミを入れる登場人物たち。
男二人と女二人という人数も安直です。

それでも本作は思っていた以上に良かった。
特に注目するのはゾンビによる奇襲の場面。
対応する主人公たちの緊張感が伝わります。
これが銃じゃなければもっと良かったけど。

四人の中でリーダー的な存在の大佐。
攻撃的な口調だが頼りになる元軍人。
ハゲのオッサンだけど戦闘は超一流。

大佐と一緒に行動していた熟練者。
元々は科学者だけど今では発明家。
フレンドリーで陰謀説を信じます。

あとから合流する姉妹の姉である女医。
最初は存在が薄かったけど徐々に台頭。
大佐の秘密に理解を示す貴重なキャラ。

ヒロイン的な姉妹の妹である娘。
一番若い事もあって軽いノリだ。
意味のない行動に意味を見出す。

物語は基本的にこの四人で展開する。
ゾンビの奇襲→対処→休憩と会話→ゾンビの奇襲。
物語は基本的にこの順番で展開する。

意外にもちゃんと作っているから引き込まれる。
最大となるゾンビの原因について言及されます。
その原因が分かった時の残念さは実に残念です。
最後まで引っ張った原因の設定が雑すぎました。

演出や雰囲気にキャラが良かっただけに、
ゾンビ化の原因がそれじゃ納得できない。
それほどに残念すぎた設定だったのです。

ゾンビ化の原因を作り込めば良作になりえた。
可能性を秘めていたのに低予算だから強引に。
予算があればもっと面白い作品になっていた。
そう思えるほどちゃんとした作りだった映画。

RE-170
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