バナバナ

シング・ストリート 未来へのうたのバナバナのレビュー・感想・評価

4.2
1985年のアイルランドが舞台。

3人兄妹の次男、コナーの家庭は両親の仲が悪く崩壊寸前。
しかし、コナーは長男と特に仲が良い。長年、長男が聞いているロックを一緒に聞き、何でも兄に相談するし、かなり兄の影響を受けている。
そんなコナーは父親が失業したせいで、バリバリのカトリックの私立男子校に転校するが、そこは80年代の日本も真っ青の荒れた学校で、コナーは初日から不良に殴られるのだった…。

大人しくて冴えない少年だったコナーだが、一目惚れした女の子の気を引く為、バンド活動を始める。
すぐに気の合う仲間も見つかり、バンドのプロモーションビデオを撮ったりと、学生生活を満喫している様に見える。
こういう所が、いつも長男の後ろを追ってきた次男の要領の良さを感じる。
この兄弟の中で、末っ子の女の子だけは建築家になりたいそうなのだが、
上の兄達の夢見がちな様子を見てきたせいなのか、妹一人だけはリアルな夢を追って真面目に勉強しているところが、兄弟アルアルだなと思ったw。

コナーも、その初恋の女の子も、大人から見れば儚い夢を追っている様に見える。
監督も学生時代にバンドをやっていたのかもしれないが、きっと、
学生時代にここまでやれたらよかったな…という憧れみたいなもので、この作品を撮ったのだろう。

コナーのバンド仲間のウサギ好きの子が、ジョン・レノンみたいな雰囲気で良かった。
それに、劇中に使われている楽曲が、私が10代、20代の頃に流行っていたものばかりだったので、違う国の話なのに、なんだか懐かく感じました。
バナバナ

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