してぃぼ

シング・ストリート 未来へのうたのしてぃぼのレビュー・感想・評価

4.3
シングストリート高校には通いたくはないけどシングストリートのような青春は憧れる。

好きな女の子を振り向かせるためにバンドを始めて、メンバー集めも友達に手伝ってもらったにも関わらず最終的にはメンバーを裏切ってその女の子とイギリスへ行くっていう。
音楽を道具にしているという見方もあるけれど音楽なんてそういうものでしょう。
曲をみんなで作って、そのために何度も集まって、MVも撮って、その度に色んな場所に行って、、、その過程がキラキラしていて眩しい。


この映画は曲が特にいい。
劇中歌もバンドの楽曲も全て。
1980年代に自分自身は生まれてはいないけれども、どこか懐かしさを感じさせてくれる当時にしか出せない良さのようなものがあった。

バンドの楽曲は全てオリジナルトラック。
コードがメロディになり、メロディが曲になる瞬間。
言葉がメッセージになり、メッセージが歌詞に瞬間。
この曲が立ち上がる瞬間が美しすぎる。
この映画で1番好きな場面かもしれない。
アジカンのゴッチも「コピーバンドはオリジナルを超えられない」って思っていたためにバンドを始めたその時から作詞作曲を自分でしていたそうな。
これこそが俗にいう初期衝動ですよ。


役者もほとんどが長編映画初出演。
冴えない男子達が、一念発起してオリジナルソングやMVを作り、文化祭で披露するというありきたりな内容でも、彼らの新鮮さや初々しさが作品に説得力をもたらしているのだと思った。

初めてサントラが欲しくなる映画だった。
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