このレビューはネタバレを含みます
この映画の評判の良さは以前から聞いてましたけど、今まで見る時間がなくて今回レンタルで観ました。
まず、80年代の音楽に詳しい人にはたまらない映画だと思います。
じゃあ、音楽に疎い自分にはハマらなかったか❓と言われたら、むしろ逆で、かなりハマりました。
その理由はストーリーと演出のうまさです。
よくある青春映画と思いきや、
意外と話の厚みがあるというか、
作中にも出てくる“悲しみと喜び“が作品を生み出す原動力になっている。
こんな作品は大好きです。
そして、これって純粋なハッピーエンドなのかな❓って観客に考えさせられるところもうまいと思います。
ダウンタウンの松本人志さんが
「自分は貧乏の中で生きていくためにお笑いにしていくしかなかった。」
って話を聞いたことがあります。 それと同じ匂いを感じました。
そして、主人公の兄貴が良い役で、エンドロールのあの『〇〇に捧ぐ』ってメッセージも良かったです。
それと、演出面。
素人がMVを撮るって設定に合わせて、主人公のバンドの私生活自体をMV風に見せているから、どこかテンポがいいんです。
あと、映画全体がカッコつけようと努力している成長過程だから、どこかダサいんです。
でも、そこがいいんです。
例えば
・ヒロインの彼氏と思われる人が車で迎えに来たけど、出発して2秒でエンストするところ
・2人が一回キスした後でもう一回キスするくだり💋
・あの子をローディに誘うシーンで、彼がちゃんと髪の毛を切れてない所
これらの点が逆に映画のリアリティを出していました。感情輸入をしやすかったです。
ただ欲を言うと、
バンドの他のメンバーのキャラクターの掘り下げが不足しているのが残念です。
それを描いていたら2時間以上の長尺な映画になってちょっと盛り込みすぎになっちゃうでしょうから、しかたないんですけどね…。😅
とは言え個人的には“洋画の青春映画“の中ではかなりいいと思います。
filmarksの平均点の高さは伊達じゃないですね。