家庭は崩壊寸前で、学校の中でも浮いちゃうような主人公が、ロックオタクの兄の影響で、そんな環境でも自分を信じ肯定していくことをロックを通して学び成長していく姿に勇気をもらえます。
この作品、個人的にはむしろ、描かれない兄の心理描写に共感することが多く、家庭の事情もあり長男だからと、ドイツへ行く夢を諦めざるを得なかったこと、それでも弟の成功を信じて送り出す姿の裏に、どれほどの悔しさと葛藤があったのだろうかと考えていた。最後のシーンはその答えのような気がします。
また、正直高校生でこれだけ出来たら即契約決まるでしょ（笑）というくらいリアリティには欠けるものの、それほどどれをとってもオリジナルの劇中歌が素晴らしく、主題歌でもある「Drive It Like You Stole It」は何回も聴いた。
スタイリングやアートディレクションもプロの仕事です。あの時代のアイルランドという、イングランドに近くて遠いような、どんよりした空気感や雰囲気が伝わってくるし、劇中歌、キュアーやジョン・オーツ、デュラン・デュランやデペッシュ・モードなど、選曲がとても好みなのもあり高評価。
自分にもこんな曲と共に、人生とは勉強とは恋愛とはを教えてくれる兄が欲しかった。。
