髭ゴリラ

シング・ストリート 未来へのうたの髭ゴリラのレビュー・感想・評価

4.2
心、揺さぶられ過ぎた。

これぞ音楽!これぞ映画だよ!
良いんだよ、理屈なんて。
だってロックは初期衝動なんだから。

見えない未来に怯えながらも
ロックを武器に今に賭ける。
冴えないはみ出しもの学生たちが
バンドを結成して成長していく話。


◉前半
バタバタと展開していく。
素人集団が急激に演奏うまくなるので
リアリティはこの時点で排除。
80年代音楽は未だに受け入れられないが
初期衝動としての感覚で観れば関係なし。


◉中盤
イジメ、親の不仲、恋の病、兄弟喧嘩
様々シリアスな面が浮き彫りになり
その中で葛藤していく主人公。
前半とは違いそれぞれの繊細な部分に
フューチャーしていき引き込まれた。
そして、その葛藤や雑音をかき消すかのよう音楽に注いでく。


◉後半
幻想も混じってのプロムでのギグ。
上がった!!もう、心踊った!!
そして恋物語かと思いきや...
まさにエンディングの
「すべての兄弟に捧ぐ」

こんなの泣くに決まってんじゃん...
もう、兄ブレンダンに共鳴しすぎて
涙、止まらなかった。

個人的に、長男・弟ありなので
親が不仲のなか、  
ずっとこの兄弟の距離感が愛しくて。

兄が開いた道を、兄の思いも背負って
突き進んでいく主人公。

そして、様々なしがらみの中
生きる仲間たちの思いも背負って...


音楽は音楽であって
でも何より人間が不屈に戦う姿が
滲み出るから意味があるのだと
改めて認識させられた。

決していろいろ難しく考えることは
まったくなく、
それぞれの立場で
様々楽しめる映画です!
髭ゴリラ

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