おださん

ダゲレオタイプの女のおださんのネタバレレビュー・内容・結末

ダゲレオタイプの女(2016年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

字幕、大学の上映会で視聴。(爆音上映!) 映画評論家の方と爆音上映企画者によるトークショー付き。
(ハッピーエンドちゃうけど)めっっっちゃ好き〜〜〜!!ラストシーン泣いた!!!もう一回見たい!!でも何でこんなに好きなのかは正直分かんない!!(笑)人生の一本にしたい!かも!!(笑)
何やろうな〜、なんというか美しさ爆発してて、役者さんも映像もとにかく美しいという印象が残ってる…!哀愁漂う感じやら静かに流れて行く感じやら切なさ孕む感じやらがめちゃくちゃ好みやったんかもしれん…!!ダゲレオタイプっていう古い写真撮影法の題材も美しかったしな〜!!「実物なのか写真なのか、生きているのかどうかすら分からなくなる」みたいな…全体的なテーマとして虚構やらイメージとの現実の差異があるんかもしれん…好き……。
爆音で見てほんまによかったな〜と思ったんは、とにかく静かさが感じられたところ!!「ポーラX」はうるさいところがいっぱいでほんまに「爆音!!」て感じやったけど、この作品は静かな沈黙とか空気の音とかまでが爆音のおかげでさらに張り詰めたような空気が感じられて、すんごい良かった…対照的な二作品で爆音の魅力が感じられてほんまに良かった!!
ヒロインの女の子がほんまに可愛くて、瞳がずっと意味ありげに動いてて、全体を通して孕む不安はそれで感じさせられたのかな〜…階段から落ちてきたシーンは衝撃的やった…!!(すんごいドキドキしながら見てたからガチでヒッてなった)
主人公もすんごい好きやった…。多分彼女はもう死んでるって分かっていながら、幽霊が見えるように彼女の存在を信じ込むことでなんとか保ってたのかな〜…。幽霊と思ってたのかどうかは意見分かれるかもやけど(個人的には幽霊じゃなくほんまに彼女やと思ってた派)、最後教会で他者に指摘されることで自分がほんまに一人ぼっちって判明させられてしまって、信じ込んでいたことを無かったことにされてしまったのが、自分の夢の世界でずっと生きていたのに現実世界に強制的に引き戻されてしまった感じがしてすんごい切なかった…。そこからのラスト、車で横に今までは存在していた彼女の姿がないのに、泣きながらでも笑いながら彼女に語りかけるのが堪らなかった…号泣…!!「これからどうしようか?」「君はもう帰りたい?」「そうだね、君がしたいならそれでいい」「帰ろうか」(的なセリフ展開…?めっちゃあやふややねんけど、)この怒涛の流れが、切なさに溢れててほんまに愛しかった…。ほんまに素敵なラストシーンでした。
ヒロインは自分の心情をはっきりと露わにする前に死んでしまった感があって少し印象薄めやねんけど、主人公もヒロインのお父さんも正直全然ええ人じゃなくて、どうしようもなくダメな人間やと思った。自分の都合の良いように生きようとしてて、自分の見たいものだけを見ようとしてる感じ。人間なら誰しも持ってるからすごい共感できるからか、(お父さんはともかく、)主人公はそういうダメ人間なところがすごい愛しかった…。
黒沢清監督作品を見るのが初めてやったから、他の人が「黒沢清監督作品としては〜」みたいに言うてる批判的な部分は個人的には全っ然感じんかった!ていうかこれでそれだけ不満とか不完全燃焼とか言われてるって他作品どんだけすごいん黒沢清!?見てみたいねんけど!?!?(笑)← (上映会終了後のトークショーで評論家の人が監督のお話とか——動く瞳のこととか階段落ちのシーンの撮影法やスタントのこととか——色々してくれて印象的やったけど、その時も「クリーピー」とか「岸辺の旅」とか他作品に使われてた技法のことについて仰ってて、そっちのがすごかった的なニュアンスやったからちょっとモヤッとしてしまった笑 あとやっぱり監督ご本人のお話が聞きたかったよ!!笑)
顔のアップとかが印象的やったからほんまにスクリーンで、爆音で見れて良かったです。もう一回見たい!!そして黒沢清監督作品を他にも見たい!!!
おださん

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